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アクロスの訓練でいくら発音がよくなっても、それが日々の授業に役立ち、生徒たちに還元されなければ、何の意味もありません。
アクロスでは、会員による授業公開をしています。アクロスの授業公開は一味違います。
1.辛口の授業診断
お世辞で、「よかったですねえ。」なんて言われません。
研究協議では、その授業の問題点を的確に分析し、具体的な改善策について討論します。
辛口ですが、本当の意味での温かさがあります。
アクロスで授業を評価するポイントは以下の3点です。
- 教師自身の英語の音
- 授業の中で使われている英語の質と量
- Class Management
2.ESL分野で活躍するアクロス顧問からの助言
アクロスには、ESL(第二言語習得理論)の分野で活躍する顧問がいます。
授業公開では、アクロス顧問も出席し、専門的な見地からの助言を得ることができます。
現在、次の先生方に顧問をお願いしています。
| Dr. Koji Igawa | President, Institute of English Language Education, Osaka YMCA |
| Dr. Rod Ellis | Professor, University of Auckland |
| Dr. Bill Gay | Former Professor, Temple University |
| Dr. Sandy McKay | Professor, San Francisco State University |
| Dr. Steven Gaies | Professor, University of Northern Iowa |
----授業公開者からの感想----
1:授業公開者:原口 恵美(田辺 恵美)
(現、堺市立月州中学校勤務)
日時: 1999年11月17日(水)
場所: 堺市立泉ヶ丘東中学校
あアクロスの研究授業ということで、どう取り繕ってもばれてしまうという覚悟はしていました。
授業中は、私語をする生徒もいて、活動もうまく進まないものがあり、とにかく必死で授業を進めました。
あ後の研究協議では、授業の運営(Classroom Management)について討論が進められました。
「教師は生徒との関係をコントロールする技術が必要である」「授業中は全ての生徒が授業に参加することが重要」「生徒が何をすべきか明確な指示を出し、その指示どおりにできているか確認しながら進めること」などの具体的なアドバイスをいただきました。
どのアドバイスも本質をついていて、自分の授業の問題点に真正面から向き合うことができました。
あすぐに改善できることではありませんが、まずは1時間1時間の授業から始めていこうと思います。本当に貴重な体験でした。
2:授業公開者:佐藤 由美子
日時: 2000年7月12日(水)5校時 (1:30〜2:20)
場所: 東京都練馬区立豊玉中学校1年C組
公開授業をふりかえって
あ時が経つのは速い。公開授業をした時はまだ小学生気分の抜けない元気だけが取り柄だった1年生がもう3年生だ。
先日の運動会では女子の創作ダンスや、男子の組体操(5段タワー)で、1,2年を立派にリードして成功に導いた。
1年を受け持った時、3年間通して彼らに英語を教えたいと思っていたが、
1クラス減による教員数の関係で今年4月からもう1人の先生に担当して貰っている。
「3年生はみんな大きな声を出してきれいな発音で読みますね。」と云うことを聞いたり、
時々廊下で3年生と交わすちょっとした会話で、生徒達のこの2年間の心身の成長ぶりに改めて感心させられている。
では私のこの2年間の歩みはどうだっただろう。公開授業を振り返りつつ考えてみたい。
公開授業をして良かったこと
◇生徒がとても喜んだ。
世界的に有名なエリス先生や、大阪や東京の色々な先生方が自分達の勉強している所をわざわざ見にきてくださった、
ということを誇りに思い自信もつけた。
◇説明のできる教案作りを意識した。
日頃何気なく授業に取り入れている諸活動(ビンゴ、歌、クイズ、ペアーワーク、グループワーク etc.)の目的、目標を考え、
どの場面で有効に使ったらよいかを教案作りの段階で自分としてはかなり熟考を重ねた。
◇教案どおりに授業が進まなかったこと。
授業のポイントの絞り方が甘かったのが分かった。ここまでできるだろうと思っていた活動が中途半端で終ってしまった。
当日は日頃と余り変わらない流れだったので、つまり日頃も盛り沢山でつかみ所のない授業なのだろうと反省した。
◇授業後の研究協議であまりほめられなかったこと。
普通の研究授業などでは、一般的に「ご苦労様、大変素晴らしい授業でした。」ということで終るのだが、
アクロスでは勿論そんなことはありえない。
今でもしっかりと覚えている辛口かつ適切な批評は
- 生徒たちのmental activityのプロセスがないのではないか。
- 授業をよりcommunicativeするために、frame work language を英語でもっとどんどん使うべきだ。
- アクロスに長くいるのに、声が小さく発音もクリアーでなかった。
- 自分の英語力に自信がないから、授業全体を英語で通せないのだろう。
英語で指示を出した後日本語で更に説明すると、生徒は英語を聞かなくなる。etc.
公開授業をしてから変わった事。変わろうとしている事
◇辛口批評に応えるべく、授業を変える努力をし続ける。
- 英語の時間なのだから、教師も生徒も英語を最大限使うような展開を心がける。
生徒に理解させられるように、言い換えたり、ジェスチャーを交えたりしながら英語を使い生徒に分からせるようにする。
- 生徒の心に響く、教え方を探っている。
とても難しいことかもしれないが生徒にとって単語1つでも、英文1つでも、
なにか言ったり、覚えたりすることに意義をみいださせたい。
生徒の心情に響く授業が出来たら良いな、と言う思いを強くしている。
- 今まで以上に明るく元気にはっきりと声を出す。(となりのクラスにはうるさい、といやがられていれるが。)
◇公開授業を怖れなくなった。
- 公開授業前は「どうしようか?」と気が重く、終った後はこんなはずではなかったと自己嫌悪に陥ってしまった。
「私だったらとてもあんな批評に耐えられない。良く平気ですね。」という人もいたが、
これだけ率直、かつ真剣に授業を見に来てくださる方たちはアクロス以外にはあまりいないと思う。
結局一番得をするのは、「公開授業した人」ということがわかったので、もう怖れないし、心から皆さんにお勧めします。
さあ、次はあなたですよ。
3:授業公開者:飯田 佐恵(アクロス会員−1999年定年退職)
日時: 平成1999年2月23日(火) 第2限目(8:50〜9:40)
場所: 大阪府大東市立谷川中学校 1年5組
あ私の授業公開は私の定年退職1ヶ月前の1999年2月初旬だった。
この計画は前年の秋頃から出されていた。授業公開は参観してもらう50分の授業だけでなく、私の38年間の教師生活、
勤務校での生徒や同僚、校務員さんと私との人間関係をさらけ出すことになり、それはかなり厳しいもので、
延ばせるものなら延ばしたい、断れるものなら断りたかった。
でも、あと数ヶ月で定年退職する私にとっては、これが最後のチャンスで、断った方が返って後悔するにちがいないと思い、
授業公開に踏み切った。
あ2月の寒い朝、10数名もの先生方が来てくださってびっくりやらうれしいやら。
ACROSSの先生方の心優しさを感じた。
公開授業はいつも遅刻で授業の途中に無遠慮に教室に入って来る女子生徒が最後まで現れなかったことと、
学習に集中せずに私語の多い男子生徒が欠席だったことで、普段の授業の雰囲気をお見せできなかった。
あ日を改めてこの授業の反省会をもっていただいた。公開授業に来られなかった先生方も加わって、
ビデオを見ながら行われた。
ビデオは容赦なく私の動作の一部始終を再現するので当の授業よりこの時の方が辛かった。
コメントはACROSSの訓練や実習のときのように率直で手厳しかった。
「授業研究は授業者のためばかりでなく研究会の参加者のためでもある」と自分に言い聞かせて腹をくくった。
結局、私の授業は
- 生徒のペア活動はあっても、コミュニカテイブな授業ではない。
- 生徒が分からないときに教師に質問していない。
- あの生徒たちはレベルを上げてもついていけそうだから、別の取り組みも考えてはどうか。
と私に自信がなくてできかねている点をズバリ指摘された。
あやふやだったところを明らかにしてもらった。「明日はさわやかに生徒にお礼を言おう。」
ACROSSの先生方に授業を参観していただいたこと、的確なコメントを頂戴したこと、
それは定年退職する私に贈ってくださったの最高の記念品といえるものでした。
本当にありがとうございました。
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